東京のシンボル
東京タワーが見えるときいつも、ああ東京にいるんだと強く感じてしまう。
東京タワーはビルがひしめく都市の中で不意に出会う。その絶妙なチラリズム故に、こいつ誘ってんのかとまで考えてしまう。いわゆる東京タワービッチ説である。
スカイツリーも見える範囲としては東京タワーを凌ぎ、所沢や千葉でも見えたりする。そういう意味ではビッチなのだが、どうも開けっぴろげすぎるし、サイズ感からリアリティが奪われる。
東京を記号で表す時、東京タワーになることは多い。大多数の人が東京の象徴は東京タワーと捉えているからだろう。
自分が最近見た範囲では東京タラレバ娘だ。
タラレバ娘では表紙、本編ともに東京タワーはしつこく出てくる。
1964年の東京オリンピックと2020年東京オリンピックを関連付けている作品故か、はたまた主人公達の行動範囲故か、東京タワーはタラレバ娘が東京の物語であると強く印象づける記号として作用している。
2013年に33歳の女性には、スカイツリーではなく東京タワーが東京のシンボルとして捉えられているのだろうか。
スカイツリーも時々出てくるが扉絵のコラージュに使われている程度だ。
東京スカイツリーの冷遇は他にもある。
ギルティクラウンではスカイツリーテロ事件として台詞だけで片付けられ、欠片も出てこない。
作中で舞台となった、24区と呼ばれるミレニアムタワーみたいな(うろ覚え)構造物を際立たせるための処置かもしれないが、なかなか不遇だ。
同じ破壊でも、数々の特撮作品で劇的に破壊された東京タワーとはかなり違いがある。
しかも最近の特撮、特命戦隊ゴーバスターズの映画で舞台に選ばれたのも東京タワーだった。
しかし東京スカイツリーにも可能性はある。
このMVでも東京タワーは多く登場し、その象徴性は揺るがない。スカイツリーは最後の一瞬。ただ、朝のスカイツリーには新しさが感じられる。
tofubeats / トーフビーツ -「朝が来るまで終わる事のないダンスを」
こうやって誰かが新しい象徴性を見つけ、表現することで、人々が持つ東京の捉え方は少しずつシフトしていくのだろうか。
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