未来都市フクシマ展
未来都市フクシマ展──廃墟と想像力(新津保建秀 藤村龍至 カオス*ラウンジ 他) | 222 | IMA ONLINE
東大で行われた未来都市フクシマ展を見に行きました。
福島観光地計画に関しての展示は以前にも見ていたので、今回見たかったのは隈研吾研究室の授業の成果です。
この授業には東浩紀氏も関わっていて興味深く追っていたのですが、どうやら日本の学生でこの授業を受ける人がいなくなり、最終的に留学生だけの授業になったそうです。
こちらで両氏が多分話されていると思います。【3/19収録】隈研吾×藤村龍至×東浩紀「建築は震災でなにをすべきだったのか ――福島第一原発観光地化計画が問いかけるもの」@ryuji_fujimura @hazuma - 2014/05/13 19:00開始 - ニコニコ生放送
この放送もコミュニティとマテリアルなど面白い話でした。
実際の作品を見てみると隈研吾氏の研究室ということで、「小さな建築」の思想が非常に大きいと感じました。モジュールを集めていたり、地形や海に沿っていたり、エントロピーがタイトルになっていたりと世界に対して負荷の少ない物語が並んでいました。
対照的に藤村龍至氏の福島ゲートビレッジは、丹下健三を参照しているだけあって一定の大きさを持っています。この違いは単に良し悪しの差を表しているのではなく、内包される物語の違いであり、ざっくり言ってしまうと求められる仕様の違いということでしょう。詳しい内容は福島第一原発観光地化計画 思想地図β vol.4-2に載っていますが、ゲートビレッジは非常に多くのコンテンツを抱えています。
瓦礫と一緒になったツナミの塔のドローイングは存在感を増していました。
五月祭の喧騒を抜けた先で、静寂の中、この展示があったのが印象的でした。
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Day One (2)
Day Oneを使い始めて大体一年が経った。
Day One - YI
リマインダー機能で続けてるというより、綺麗に溜まっていく記録が見たくて続けている感じがする。
一方的にevernoteで共有している。綺麗に一方通行。
最近になってパブリッシュ機能がついたのだが、どう使ったもんかという状態。
Publish by Day One
相対性理論のときのえっちゃんの歌い方って今と結構違う。
さよなん2014セットリスト
とりあえず当たり障りのない内容。
SNSな要素は無に近いので、facebookの公開範囲で制御してもっとプライベートな感じに使うとか。
個人的にはpathと連携して欲しい。
あとWindowsでも書けるようにWebアプリとか作ってくれないですかね。職場で使いたい。
noteなんかも始まってテキストは公開する場所が広がってきてるのは面白い。
note ――つくる、つながる、とどける。
noteはスマートフォン向けアプリが欲しいかな。
空白の場所
仕事柄、よく展示会やシンポジウムなどに足を運ぶ。国際展示場こと東京ビッグサイトや幕張メッセなどだ。またどちらもその用途はビジネスに限らず、コンサートや即売会など文化的なイベントにも活用されている。
何のイベントも行われていない幕張メッセを見に行ったこともある。空白の場所と呼ぶに相応しい虚無が広がっていた。建築において、内包される空間は建築からは独立して存在し得ない。空間は何らかの目的を持ち、意味を生じさせ、建築を形作る。幕張メッセ、ビックサイトのような大ホールの空間に求められるのは空白という目的、器としての意味である。
リンク先ではそういった大きな空間について語られている。
なぜコミケはビッグサイトで行われるのか? ネットが変えた”場所”と”コミュニティ”の関係性 | ログミー[o_O]
ここで宇野氏はハレとケの対応としてリアルとウェブを挙げ、ウェブの繋がりと情報量の受け皿としてビッグサイト等の巨大なイベントスペースが必要と述べている。
同様の内容を、PLANETS vol.8に収録の
いま東京と東京論を問い直す ―首都機能から考える21世紀日本― (PLANETS SELECTION for Kindle)(門脇耕三, 中川大地, 速水健朗, 藤村龍至, 宇野常寛)内で宇野氏は述べている。サブカルチャーを夜の世界のコンテンツとみなし、文化を生む場所としての大空間、大バコの重要性が説かれている。
しかし、人口減少の時代に入り込んだ今、空白の場所は自動的に生まれていく*1。空白を求められた場所ではないのに、空っぽな景色が見えるようになる。人が少なくなった後、文化だって持続できるかはわからない。
もちろん施設として作られた空白と、打ち捨てられて生まれた空白は違う。ただ人がいないという空白の感覚は同じだろうと思う。
n次創作観光 アニメ聖地巡礼/コンテンツツーリズム/観光社会学の可能性はアニメにおける聖地巡礼についての本だが、場所に赴き交流することで、アニメやweb発のコンテンツとその場所にあるコンテンツの繋がりが創出できると書かれている。
そういった幸福な例は稀有であるとは思うし、多数の原理に押し潰されない場所性を持った場所も多くはないと思う。これから人が消えていくなら尚更だ。
人も文化も居なくなった後でも、何かが残り経験できる場所を作る。都市や建築が貢献できるのはそういうところだろうと思う。
n次創作観光 アニメ聖地巡礼/コンテンツツーリズム/観光社会学の可能性
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*1:国土交通省は28日、少子化の影響で、全国で人が住んでいる地域のうち6割以上で、2050年には人口が半分以下に減るとの推計を発表した。2割の地域は住民がゼロになるとしている。(抜粋)(2014年3月29日08時36分 読売新聞)国交省資料(pdf) https://www.mlit.go.jp/common/001033672.pdf
Animation & UI
ロボットアニメを見ていると、コックピットやコンピュータのディスプレイ等、デザインされているモニターグラフィックスが気になってくる。単純にかっこいい悪いという視点もあるし、私は特にグラフィックの勉強をした訳ではなかったので知らなかったのだが、ヤコブ・ニールセン博士のユーザビリティの五原則などに則って見る視点もあるようだ。
http://allfesta.com/robot_anime_ui_01/
劇場版機動戦士ガンダム00のモニターグラフィックスのデザインについては、デザイナーの海老川氏が色々とtweetしている。
togetter.com
ガンダムハルートのマルートモードに移行する時の画面など本当に一瞬だが、3人の人格同調に対応した3つのOSが展開する様子がわかる。よく見るとOSのブロックの中に2つずつカメラアイの意匠があり、六つ目のマルートモードを表している。細かい。
またラスト付近で、GN-XⅣの自爆シーンでは感情の昂りとUIの演出が連動していて印象的だった。
アニメの中のUIはユーザビリティ以上に色々な意味が込められていて、ただのインターフェースの表現にとどまらず、演出に使われることでさらなる意味を持つ。
革命機ヴァルヴレイヴでは、謎の多い機体のヴァルヴレイヴ1号機の中で、エルエルフがコックピット周りのフォントから設計者の几帳面な性格を読み取り、そこから熱量を示すUIに上限値があることからヴァルヴレイヴの熱暴走の先に何らかのシステムがあると推測している。エルエルフの観察力の高さを、普段は気にされないフォントやUIで表した演出だった。
ブレイクブレイドでは発掘されたゴゥレムのインターフェイスに日本語と英語を使用し、それらを古代文字とする事で、視聴者には意味がわかるが作中の人物にはわからない状態を作っている。これは技術的な謎を視聴者にだけ開示し、古代文明が現代の延長と想像させる含みを持たせている。
少しUIとはズレるがひだまりスケッチではキャラの特徴的部位をインフォグラフィックスにして演出に利用している。元々記号的演出の多いアニメではあるが、キャラの記号化では本来の記号の意味を越えてキャラの可愛さが通じるインターフェイスとなっている。
これでゆのっちが寝てる可愛いとなる。
機動戦士ガンダムUCでは、クシャトリヤのコックピット内でインフォグラフィックになったファンネルの動きを見せている。これにより、ファンネルに連動しているキャラの表情と気持ちの遷移を同じ画面内で演出している。
ガンダムUCのモニターグラフィックはどれも素晴らしく、情報量も濃密で動きを見ているだけで楽しい。国立科学博物館で昨年行われたep6の最速上映会ではモニターグラフィックの展示もあったようだ。書きながら調べていたら
機動戦士ガンダムUCメカニック&ワールド ep1-3 (双葉社MOOK)に文字周りなどの解説が載っているっぽいので買おうと思います。
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とりあえず書いてみたけれど、モニターグラフィックやらインフォグラフィックやらインターフェイスやら用語と用途がごっちゃになってる気もするので、ちゃんとしたデザイナーさんの意見が読みたいです。
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前からflipboard使ってはいたが、magazineの機能は全く使っていなかった。
ふと、そんなん有ったなということで使い始めた。
Coverが最上もがなのは何か気に入っている。
要は今流行りのコンテンツのキュレーションを個々人でやろうという訳である。いいところは適当にやってもそれなりに見映えのする雑誌っぽいものができるところ。
使い方としては今まで自分のtumblrに全て突っ込んでいたものを、ちょこっと抜粋してみようと。Flipboardのアプリからリブログもできるので手間もかからない。こうしてインターネットにどんどん時間を費やすのは楽しい。
自分で扱えそうな女の子と建築のをとりあえず作ってみた。
今、いつになるかはわからないけど、未来都市研究会もwebに移行しようとしていて、出来たらこういうmagazine形式で見せるのも面白いかもしれない。
コンテンツのキュレーションというものは、コンテンツが辿る経路が違うと違う見え方と価値を獲得するところが面白いと思う。
これは都市とか建築でも同じで、空間の中で辿る経路が違うと印象は変わり、辿り着く価値が変わってくると考えられる。経路の可能性の、無限ではなく「いくつか(セヴェラルネス)」の話は中谷礼仁のセヴェラルネス+(プラス)―事物連鎖と都市・建築・人間に詳しく書かれている。
。
最も価値の高まるクリティカルパスの探索研究はwebでも建築でも都市でも必要となってくる。調べていないのでもうそういった研究は有るかもしれないが。
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書と空間
松原隆一郎氏*1の書庫、阿佐ヶ谷の書庫の話がとても興味深いものでした。
01 家の来歴|松原隆一郎+堀部安嗣 阿佐ヶ谷書庫プロジェクト[1/1]|Book Cafe 矢来町ぐるり|新潮社
阿佐ヶ谷の書庫は建築家の堀部安嗣氏の設計です。設計の過程を読む限り、堀部氏はシーケンシャルな空間を意識し、阿佐ヶ谷の書庫を設計したと読み取れます。
松原氏は独自の分類で本を配置しており、その配置をに巡ることで仕事に対応されています。
なぜ人は書庫を作ってまで本を持ちたがるのか « マガジン航[kɔː]
書庫の最も大きな意義は、「空間に情報がある」ということだと考えます。
書を空間に置くことで、座標が設定され、その座標を身体を使って検索することで、情報が身体と結びつき、記憶の顕在化が起こると考えられます。
「記憶の宮殿」という記憶術があります。小説「ハンニバル」の中でレクター博士が使っていた描写が有名です。記憶を仮想の宮殿に配置することで、膨大な記憶を保持することができます。記憶を思い出すときは、脳内の宮殿を移動し、記憶を探すのです。仮想的であれ、空間の有意さが伺えます。
また、輪るピングドラムの第9話「氷の世界」に置いても、記憶と座標を表現したような描写が見られます。陽毬は杉並区立中央図書館を抜け、「そらの孔分室」*fig1に入り込みます。膨大な物語の前で陽毬は過去を思い出します。「そらの孔分室」はOlivier Charles氏*2のCG作品であるストックホルム図書館案*fig2をモデルにしていると予想され、実在する杉並区立中央図書館とは違い架空のものです。実在の図書館から架空の図書館に切り替わることで、「そらの孔分室」が物語の中で不思議な空間であることの意味を担保しているとも考えられます。そのような場所で、本の形をした記憶を探し手に取るという表現を使うことで、身体に記憶を引き寄せたと考えられます。
身体を使った情報の検索は、記憶を思い出すというより手に取ることができるということなのでしょう。そもそも私人の蔵書コレクションというものは、その人の生きてきた記憶と言えるので当然の事と言えば当然です。しかしそのような書庫というものは、阿佐ヶ谷の書庫の例を見る限り簡単に作れるものではありません。書籍の電子化も進む現代において、書庫とは人と場所が揃い、書と空間が立ち上がった稀有なものと言えます。
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AppleTV
年始にまあ使うだろうとAppleTVを買っていたのだが、一番期待していたMacからのAirPlayは遅延が発生して動画再生には向かなかった。バンダイチャンネルが見たかったのだが。
おとなしくレンタル映画やらを見ていたが、さっき何気なくiPadでバンダイチャンネル見始めたらAirPlayの項目があった。試しにやってみると遅延無しにサクサク見れる。
荒ぶるハリー・オード。
これでコタツでの作業が捗る。
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Apple 第4世代 iPad Retinaディスプレイモデル Wi-Fiモデル 16GB MD510J/A ブラック MD510JA
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