オンカロ
映画「100,000年後の安全」が期間限定で無料公開されている。
映画『100,000年後の安全』本編をYOUTUBE無料配信 - 2014年1月22日(水)正午12時~2月10日(月)正午12時
映画『100,000年後の安全』(日本語吹き替え版)本編 - YouTube
正直、都知事選云々の煽りは余計だと思うが、それを差し引いても面白い映画だ。
映画の内容は、原発推進国フィンランドの放射性物質最終処分場オンカロについてのドキュメンタリー。以前、渋谷のUPLINKで上映されていたもので、NHKでも特集番組が放送されていた。
この映画で面白いのは放射性物質の半減期である十万年後という桁外れの未来に向けて、どうやってメッセージを送るかを考えている点にある。
オンカロを10万年後の未来までに忘却させるのか、伝えるのか。伝えるとしたら詳細情報なのか、その情報は10万年後の時間を超える事ができるのか。
未来には言語自体が変わっている可能性があるため、違う方法でオンカロの中の放射性物質が危険だと伝えなければならない。純粋に記号的で、記号で有るからには十万年後の人類と意味を共有できなければならない。
古代文明を発見し解明しようとするSFは多い。十万年後を考える為に私達自身が、そのSF的な古代文明にならなくてはならないのだ。
オンカロでは警告記号として巨大なトゲなどが検討されている。トゲで閉ざされた、島の大深度地下設備。10万年後の知性体がそれを警告と受け取ってくれるかはわからない。
今の社会は文学的想像力と分断されている。*1しかし、このオンカロは10万年後の社会に接続するための想像力が試されている。
- 出版社/メーカー: アップリンク
- 発売日: 2011/12/23
- メディア: DVD
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この10万年後まで射程を持った施設は、卒業設計の題材にすると面白いかもしれないと、映画を観た時は思った。ざっと調べた結果だが、特にそういったテーマを扱った卒業設計は見つからなかった。ぜひとも10万年後を考える人が出てきて欲しいと思う。