YI

ロジカルに考え、リリカルに語れ。

ハーモニーについて

少し前に劇場版ハーモニーを見てきた。

「ハーモニー」劇場本予告

安定しない作画、円環運動が多用される演出、虐殺の文法となったLINEスタンプ、これら負の要素を積み上げても、ミァハは最高のイデオローグとして描かれていた。それだけでよかった。上田麗奈の心に差し込んでくるような声が、イデオローグとしてのミァハの存在に大きく貢献していた事は言うまでもない。

パンフレットの表紙でもある、redjuice絵のミァハは映画が終わってから見ると、震えるほど美しい。同じ絵のポスターも付いてます。

虐殺器官がちゃんとスケジュール通りに進んでいれば、もっと映画として調和した世界が見られたのかもしれない。

WatchMeの世界は近づいている。
健康経営*1として、企業が従業員の健康管理を行い始めている。
建築的にも、LEED*2とも互換性のある、Well Buiding Standardsという評価指標が設定されている。
LEEDの普及を見るに、Well Buiding Standardsも全く普及しないということはないだろう。
delos.com


言うまでもなく、今ここが、未来の入り口。

ハーモニー ハヤカワ文庫JA

ハーモニー ハヤカワ文庫JA

WatchMe

*1:「健康経営銘柄」(METI/経済産業省)

*2:Leadership in Energy & Environmental Design/建物の環境性能評価システム/ http://www.gbj.or.jp/leed/

屍者の帝国について

劇場版屍者の帝国について。
序盤なんかは面白いは面白いのだけれど、どうにも二次創作感が拭えない。一般向けにしようとする努力は認めるが、中途半端に終わっていた。原作を読み直さずにうろ覚えで見てしまったため、後半は混乱しながら見ていた。

良かった点としては


花澤香菜さん含め、声優さんの演技はとても良かったです。

フライデーの設定改変は物語の導入部では良い役割を果たしていたが、最後は足枷となっていた。言語が記録となり、記録が記憶となり、記憶が魂となる。フライデーとワトソンの関係が希薄であるからこそ旅路が意味を持ち、魂のありかが明確となる。
フライデーが生前の友人ということで、ワトソンがかつてあった魂を追い求めるような構図になってしまったことで、言語から魂は成り立つという面白さが薄くなってしまった事は否めない。

ワトソンとフライデー、円城塔伊藤計劃、この関係の二重性については
屍者たちの帝国の後記でも大森望が記している。

この二人の関係性は、長編版『屍者の帝国』のフライデーとワトソンの関係におそらく(微妙なかたちで)反映しているし、劇場アニメ版では、生前のフライデーがワトソンの盟友だったという設定変更により、正面から両者の友情をテーマに据え、それが伊藤計劃円城塔の関係に重なって見えるという二重構造になっている Read more at location 4407

このようにフライデーの設定改変は、円城塔伊藤計劃の関係を楽しめるし、物語の間口を広く取れるという事で、劇場版というメディアには合っているとは思うが、やはり魂のありかという要素を楽しめるのは原作だろう。

個人的に屍者の帝国で凄く好きなアイデアはフライデーが女王陛下の所有物であるということ。
それは伊藤計劃のOn Her Majesty's Secret PropertyとFrom the Nothing, With Loveに繋がるもので、フライデーのナンバーが007というだけで痺れる。
結局言いたいことは伊藤計劃のアイデアをここまで繋げてくる円城塔凄い、というところに収束する。

The Indifference Engine

The Indifference Engine


前述の屍者たちの帝国はかなり面白かった。

屍者の帝国とロシア宇宙主義、ハーモニーイスラム神秘主義など、作品と思想の繋がりが見える物語があったのが面白かった。

ともかく、虐殺器官はどうなるんでしょうか。

参考にした感想。d.hatena.ne.jp

はてなブロガーに聞いた、おすすめのUI/UX入門書に寄稿しました

nanapi.jp

はてなブロガーに聞いた、おすすめのUI/UX入門書 | nanapi [ナナピ]

アンケート取材に回答しました。

2015/08/31 15:25

もう2か月も前ですが、アンケート取材に回答したものが記事になっています。

他の方が紹介している本も面白そうです。

ドボクの本

八馬先生の欧州ドボク本が出ました。即買いです。

ヨーロッパのドボクを見に行こう

ヨーロッパのドボクを見に行こう

hachim.hateblo.jp

フランス、ドイツ、オランダ、ベルギー、スイスの土木が紹介されていてモデルコースまで載っているので旅行本として最高に良い。

切手モチーフの表紙やチケットモチーフのモデルコースページなど、デザインが可愛い。
欧州ドボク本モデルコースページflic.kr

ドイツは自分が今年行ったところも載っていたけれど、写真が全然違った。太陽光があるだけで見違える。
HASH(0x8078c48)flic.kr

自分が行った時は曇天だったランドシャフトパークとツォルフェアイン。曇りでも、それはそれで退廃的な魅力があるけれど。

yutaiguchi.hatenablog.com

yutaiguchi.hatenablog.com


読んでいると旅に出たくなる。

心と体

 fitbitのリストバンド活動量計を少し使う機会が出来たので。

 心拍計付きのCharge HRを使用。活動量データはスマートフォンアプリ経由でアップロード。Webで確認できる。www.fitbit.com

 正確性は流石に胸の付近で計測するものと比べると落ちると考えられ、おそらくある程度ダミーの数字をかましている。
 本体のディスプレイ表示はボタンを押すか、本体を叩かないと表示されない。代わりと言ってはなんだが、時計及び音楽プレイヤーコントロール機能付きのsurgeが年内に出るそう。

IMGP6202flic.kr
 使用中、個人的に心が痛むことが少々あったが、特に心拍数に影響はなかった。逆に少し歩いただけで心拍数
は脂肪燃焼ゾーンに到達したので、やはり体のことは体なんだなと。単に代謝が良いだけかもしれないが。

 他にもEPSONの心拍数計測技術を使ったものも試したが、こちらは心拍から心の状態を予測していた。面白い試みではあるが、そのアルゴリズムブラックボックスの中で、心拍数すら取り出すAPIが存在しない。fitbitの方が自由度が高く、発想と使用方法によっては、より確かに心の状態が掴めるかもしれない。

 計測したデータを見ていると結構楽しいもので、自分の生活が定量化され、可視化されると、もっと見たいという新しい欲望が顔を出す。欲望は生活に影響を与え、世界の見え方を変えるものとなる。

 これから定量化されるものは、きっと体から心に移行する。心の状態を定量化するのは、茫としたもので「定量」と言えるものにはすぐにはならないだろう。しかし、曖昧なものを曖昧なまま利用する術はあると思われる。

別の時空間から投影された、透明でとぎれとぎれの、わたしたち自身のホログラム。

wired.jp

 定量化できるものが増えると、投影されるホログラムのわたしたちも変わっていく。その時、対するわたしたちの心も変わっていくのだろう。こういう想像はいつだって楽しい。

1週間程の使用だが、こういったウェアラブルデバイスを使っていると、やっぱりAppleWatchも使ってみたくなる。

透明な東京

TRANSPARENT TOKYO
NIGHT WALKflic.kr


透明な東京の物語を掘り起こす。

見えないけれど、そこにある。

その特色のなさは芸術的なほどで、ステルス戦闘機と同じくらい目に映らない。*1

アースダイバー

アースダイバー

S,M,L,XL+: 現代都市をめぐるエッセイ (ちくま学芸文庫)

S,M,L,XL+: 現代都市をめぐるエッセイ (ちくま学芸文庫)



flic.kr

*1:レム・コールハース「S,M,L,XL」ピクセル東京より