心と体
fitbitのリストバンド活動量計を少し使う機会が出来たので。
【日本正規代理店品】Fitbit ワイヤレス活動量計+心拍計リストバンド ChargeHR Large Black FB405BKL-JPN
- 出版社/メーカー: Fitbit
- 発売日: 2015/04/24
- メディア: エレクトロニクス
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心拍計付きのCharge HRを使用。活動量データはスマートフォンアプリ経由でアップロード。Webで確認できる。www.fitbit.com
正確性は流石に胸の付近で計測するものと比べると落ちると考えられ、おそらくある程度ダミーの数字をかましている。
本体のディスプレイ表示はボタンを押すか、本体を叩かないと表示されない。代わりと言ってはなんだが、時計及び音楽プレイヤーコントロール機能付きのsurgeが年内に出るそう。
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使用中、個人的に心が痛むことが少々あったが、特に心拍数に影響はなかった。逆に少し歩いただけで心拍数
は脂肪燃焼ゾーンに到達したので、やはり体のことは体なんだなと。単に代謝が良いだけかもしれないが。
他にもEPSONの心拍数計測技術を使ったものも試したが、こちらは心拍から心の状態を予測していた。面白い試みではあるが、そのアルゴリズムはブラックボックスの中で、心拍数すら取り出すAPIが存在しない。fitbitの方が自由度が高く、発想と使用方法によっては、より確かに心の状態が掴めるかもしれない。
計測したデータを見ていると結構楽しいもので、自分の生活が定量化され、可視化されると、もっと見たいという新しい欲望が顔を出す。欲望は生活に影響を与え、世界の見え方を変えるものとなる。
これから定量化されるものは、きっと体から心に移行する。心の状態を定量化するのは、茫としたもので「定量」と言えるものにはすぐにはならないだろう。しかし、曖昧なものを曖昧なまま利用する術はあると思われる。
別の時空間から投影された、透明でとぎれとぎれの、わたしたち自身のホログラム。
定量化できるものが増えると、投影されるホログラムのわたしたちも変わっていく。その時、対するわたしたちの心も変わっていくのだろう。こういう想像はいつだって楽しい。
1週間程の使用だが、こういったウェアラブルデバイスを使っていると、やっぱりAppleWatchも使ってみたくなる。
透明な東京
透明な東京の物語を掘り起こす。
見えないけれど、そこにある。
その特色のなさは芸術的なほどで、ステルス戦闘機と同じくらい目に映らない。*1
- 作者: 中沢新一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/06/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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S,M,L,XL+: 現代都市をめぐるエッセイ (ちくま学芸文庫)
- 作者: レムコールハース,Rem Koolhaas,太田佳代子,渡辺佐智江
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/05/08
- メディア: 文庫
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Stack/silodam and the other architecture in amsterdam
アムステルダムで見たかった建築の一つ、MVRDV設計のsilodam。
運河上に建つ集合住宅で、住宅機能の他、オフィスやコミュニティスペースなどがスタックされている。外壁からそれぞれの空間が何処にあるかが一目瞭然だったりする。
スタック、積み重ねはMVRDVの設計手法の1つで、KM3
街を歩いたり運河巡りをしていると、他にもダッチデザイン、アムステルダムの建築は見ていて面白いものが多かった。
建築ではないがCAR2GO。電気自動車用の充電ポートが街の各所に配置されている。
アムステルダムに関しては八馬先生のブログで色々と勉強してから行った。
だけども今回行けたのは基本のキみたいなもので、見落としたものを見るためにまた訪れたい。
MVRDVの有名なやつとかhachim.hateblo.jp
Kraanspoor見たかったが、開発された湾岸地区の方は行けなかった。hachim.hateblo.jp
定番のI AM STERDAM。後ろは国立美術館。
スケートリンク。補助具なのか遊びなのか滑る時に椅子を使っている人がちらほら。
Conversion/Zollverein Coal Mine Industrial Complex in Essen
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エムシャ―パーク事業*1の1つ、ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群/Zollverein Coal Mine Industrial Complex 。世界遺産にも指定されている。
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中枢施設のツォルフェアアイン博物館。炭鉱施設から博物館へのコンバージョンはOMAが設計を担当。スタックされた展示プログラムは炭鉱施設と相性がよく、滞り無く展示を見ることができる。OMAのプログラムをボリュームに変換しスタックする手法は、シアトル公共図書館などで使われたものだ。これが大胆かつわかりやすくかっこいい。
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シーケンスを担う内部階段はオレンジ色に光っている。熱と繋がりを想起させるデザイン。
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博物館の屋上から。レッドドットデザインミュージアムとSANAAの手がけた白い箱、ツォルフェアアイン・スクールが見える。スクールは閉鎖されたのかと思っていたが、デザイン専攻の学生が集まらず使われてないだけらしい。
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ツォルフェアアインでは複数の炭鉱施設を周ることができる。マスタープランを博物館と同様にOMAが手がけている。
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謎の重機などもある。
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ランドシャフトパークと違い、施設をそのまま残すのではなく、形を活かし積極的に博物館や美術館にコンバージョンが行われている。
欧州では大規模工業施設のコンバージョンが多い印象がある。ロンドンのテートモダンも発電所からのコンバージョンでヘルツォーク&ド・ムーロンの設計だ。日本では大規模な工業施設からのコンバージョンは余り見られないが、近代建築の外形などを意匠として残していたりはしている。神戸の旧居留地や東京の丸の内などはそういうものは多い。完全に余談だが上野の国際子ども図書館は安藤忠雄がコンバージョンを手がけていて、エントランスはガラスの箱が古い建物に刺さっているように見える。安藤忠雄はテートモダンのコンペに発電所部分にガラスの箱を刺した案を提出していて、それのリベンジかなと個人的に思っている。
ツォルフェアアインにはエッセンの駅から107番のトラム。ツォルフェアアイン入り口の前にトラムが止まる。www.zollverein.de
*1:公式Webにエムシャ―パークのロゴがあったので多分そうだろう
時を重ねるということ/Landschaftspark
工場を好きな人は多いと思っている。あの工業を感じさせるフォルムは人を狂わせる。
ドイツのデュイスブルグにあるランドシャフトパーク/Landschaftsparkは精錬所跡をそのまま公園にしたもので、廃墟となった施設に触れることができる。
気候の良い時は普通の公園として賑わっているらしいが、霧がたっており、観光客数人すれ違っただけで、後は子供がサバゲーをしていた。
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ドイツ国内で行われているエムシャ―パーク事業は、こうした工業遺産を積極的に活用し、歴史と記憶を引き継いでいる。
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日本で歴史というと、寺社や武家屋敷などが観光に活用されているが、もっと工業遺産を整備して残してもらえると個人的にはとても嬉しい。
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時を重ねて、何かを残していくということは、選択をしていくということだが、安易に直近の時代を葬る、所謂父殺しに走らずに、多様性を保っていて欲しいと思う。
MODERN ARCHITECTURE Theme Park / MedienHafen
ドイツからはデュッセルドルフからの直行便で帰ってきたのだが、帰国前にメディエンハーフェン/MedienHafenに立ち寄ってきた。
メディエンハーフェンはその名の通りメディア系の企業が集まっているところで、フランク・ゲーリーの建築がランドマークの、普段はお洒落なスポットらしい。立ち寄ったのは休日だった為、働く人たちは皆無で寂しさすら感じられたが。休日はライン河沿いに市民が集まっているとの情報も見たが、冬で曇りだったためかそういった人達も疎ら。屋外で過ごすには日光が必要なんだろう。
ゲーリーの建築の他にも現代建築が集まっていて、好きな人が行けばさながら現代建築のテーマパークのように見えるだろう。実際に建築を案内している看板なんかも用意されている。
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天気と時間帯のおかげで廃墟感すら漂っているが、それはそれで。日本だと現代建築家や有名事務所が手がけたオフィス建築が集まっているところは早々無いので不思議な光景だった。
メディエンハーフェンへはデュッセルドルフ中央駅からトラムで行ける。メディエンハーフェン駅がトラムの終着駅となっているが、その2つ手前のStadttor駅がゲーリーの建築の最寄り駅。自分は帰る時に気づいて歩きまわってしまった。飛行機の時間が迫っていて、駆け足になってしまったので今度はもうちょっとゆっくりと行きたい。
純粋なる空間として/Kolumba, Art Museum of the Archdiocese of Cologne
今現在の建築、建物と言うものは最早風雨を凌げれば良いものではなく、空調、多くの設備を内外問わず実装し、複雑な機械の塊とも言える。それを逆手にとり設備を意匠として成立させたものがポンピドゥーセンターであったりロイズ・オブ・ロンドンだっりするのだが、ピーター・ズントー設計の聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館/Kolumba, Art Museum of the Archdiocese of Cologne はその対極をゆくものだと感じた。
徹底的に設備は隠されており、私たちは集中して陰翳の中に佇む作品を見ることができる。普段私たちが触れる空間は複合的な意味を持っているが、コロンバ美術館においては、光を削り取って作ったような、只々純粋な空間が其処にあった。
美術館と宗教建築の遺跡という特殊なプログラムであったが、だからこそディテールに拘り、プログラムに没頭できるような建築であった。
このような建築には早々出会えるものではなく、プリツカー賞は伊達ではないと思った。美術館でこれなのだから、最近、併設されるホテルのコンペが終わったばかりの、ズントー設計のスイスのスパ「テルメ・ヴァルス」に行ったら幸福過ぎて死ぬかもしれない。いつか行ってみたい。
コロンバ美術館はケルン中央駅から南に歩いて10分ほど。カーニバルの時期に行ったので、祭りのパレードで近寄れない時もあったが、街が羽目を外してる時期を避ければ普通に平和なところです。
20150214-0221 Germany - an album on Flickr